全国単位日青会会員各聖
全国日蓮宗青年会会長 光岡 潮慶
行学道場担当委員長 犬飼 盛勝
平成20年度 行学道場 報告
全国日蓮宗青年会行学道場「21世紀のお寺像を考える」
経済学を身につける意義
社会を観察し分析する能力の育成
・経済学で金儲けはできないが、経済法則に反するビジネスは失敗する。
感情をコントロールする
・身近な社会現象を客観視する。
・善悪論は思考を停止させる。
自立した人間を育てる
・自分の頭で考える。判断力が必要。このことは『学問のすゝめ』に書いてある。
・学問をしなければ支配されてしまう危険がある。
経済学的なものの見方の要点
インセンティブ(人の意欲を引き出すために、外部から与える刺激)の所在を探る
・人が行動する上で影響を与えている要因を分析し、回避する。
・「なぜ?」という疑問を持つことは重要。
宗教にかかわる「なぜ?」
なぜ宗教が存在するのか
なぜ葬式をするのか
なぜ初詣に行くのか
なぜ住職は世襲なのか
なぜ宗教法人は非課税なのか
損得の発生について考える
・すべての人、お互いが得にならなければ長続きしない。
資源配分が効率的になっているか
・無駄を排除し、限りある資源を節約する。
選択の自由が担保されているか
・競争によって市場の規律を保つ。
相互依存関係の重要性
・需要と供給、一般均衡的発想。
・まわりをよく見る。世の中を広く見る。
世の中に不必要なものはない
経済的自然淘汰
・社会におけるダーウィニズム(ダーウィンの進化論)
・環境が変わるから進化する。必要ない物は省かれて行く。
経済不況は淘汰の過程
・新たな需要のスタート
政府介入の是非
・無駄を作り出すリスク
消費者育成のための教育
・賢い消費者が健全な事業者をつくる
お寺へのニーズ
実用性
・観光・・・観光寺(京都、鎌倉)
・現世利益・・・信者寺(長野、浅草、初詣)
・葬儀・法事・・・檀家寺(境内墓地)
・徳積み・・・タイの寺院
精神性(抽象的、需要が読めない)
・神秘・・・密教
・解脱・・・坐禅
・安息・・・遍路
市場の特性
実用性のコストベネフィット
・技術進歩による陳腐化のリスクがある。
・市場拡大のメリットがある。
精神性のコストベネフィット
・一般性の欠如による閉鎖性(特定の人が対象となるため)
・安定的な市場の確保
※コストベネフィット(費用便益。リスク削減対策に必要なコストと、
その結果削減されたリスクの価値(ベネフィット))
折衷案(実用性と精神性の割合)
・どこで線を引くか
事例研究
JUDOと大相撲
・競技性と文化性の線引き
剣道
・実用性・・・「型」・・・競技性+精神性
将棋
・名人位資格の変遷、文化性も
お笑い
・東京の落語と関西の漫才
沖縄の寺院
・完全なる実用性
お寺は営利事業か?
実用性は営利
・株式会社で利益配分
精神性は非営利
・顧客との信頼関係のウェイトが大きい
お寺は「人助け」
・救済は営利ではないはず
ペット供養の扱い
料金を提示しない(非営利)
21世紀のお寺像
ミッションの明確化
・実用性と精神性のウェイト付け
現代人のニーズ発見
・「直す」のではなく「救う」「共存させる」
・心を柔軟にするための鍛錬が必要
モラルの基本を教える
・自分以外の、あるいは人間以外の偉大な存在を知ることの意義
すべの宗教に通じる。文句なしにそういった存在がいる事を信じる(信仰)
経済学・・・見えざる神の手に導かれて(経済学者アダム・スミスが提唱)、
人々の欲求が社会全体の幸せにつながっていく・・・宗教的な部分にまで到達している。
・謙虚さはすべてのモラルにつながる。
・謙虚になり寛容になる・・・仏教
・宗教教育は今の日本社会に必要である。
人は上から目線に成りがちである。「質直意柔軟」にして謙虚さが必要であり、大切である。
【講 題】 「21世紀のお寺像を考える」
【講 師】 中島 隆信 氏(講師プロフィールはコチラ)
【場 所】 日蓮宗宗務院 5F講堂
【期 日】 平成21年1月29日(木)
【日 程】
受 付 12時30分より
開講式 13時より
講 演 13時10分より
16時より質疑応答後 閉講式